海洋廃棄物管理コンサルタントの株式会社ビジネスサポートOJT

現状、浚渫工事、護岸工事等において、発生する自然由来の貝殻混じり汚泥の処理でお困りの関係者の方は、多々あろうかと思います。これを新しい資源となりうるエコ事業を特許取得と共に開発致しました。皆様のお役に立てる新たな環境ビジネスを展開しております。
  • 各種原料としての資源化
  • 再生資源と低価格原料
  • 需要と供給の構築
  • 入口と出口
  • 共有とバランス
  • メジャーとメジャーとの間のコンプライアンス徹底管理
  • エコと資源有効利用
  • 焼却、におい、CO2の削減による環境保全
  • 許認可事業となる一歩
  • 再生処理による費用の軽減

1.目的

臨海工場における排水口や海洋構造物に付着したイガイを撤去する場合、陸上に回収したイガイ内含まれる身などの有機物が腐敗臭を発生させるために、早期の処理が必要となる。短期間に大量のイガイを処分する場合、従来では産業廃棄物として主に焼却処分される。一方で、貝殻に含まれるカルシウム分は養鶏飼料として再利用できる。本研究では、ムラサキイガイを養鶏飼料とする処理フローを構築した。



2.方法

ムラサキイガイの養鶏飼料化は、2010.8/5~8/8に愛知県衣浦港内より排出された約52立法メートル(約32t、表-1参照)を対象とし、図-1に示す処理過程にて実施した。排出されたムラサキイガイは、海洋構造物から海底に没落することなく回収された状態であり、魚類やヒトデなどの他生物や土砂の混入率が少なかった。消臭は、おが屑を搬入体積の約4~6割量を添加した。発酵は、高さ1.5~1.8m、底面幅4m、底面長さ3.5~10mに盛土(写真-1参照)し、発酵期間は3日間程度とし、毎日一度、切り返した。分級は、金網籠(L1.2m×B1.2m×H1.2m)を使用し、0.8立方メートル程度入れふるった。貝殻は金網籠の中に残り、除去されたおが屑や小型ゴミは堆肥材として排出処理した。乾燥は含水量が5%以下となるように天日で最大3日間乾燥させた。熱処理は、発酵・分級において選別した貝に付着している残存有機物の除去と殺菌を目的として、2010.8/31と9/7にロータリーキルン(東海サンド(株)、キルン長:12m、有効長11m、バーナー部1m、キルン径:φ1400)を使用して実施した。貝供給量は1kg/sとし、キルン内の処理速度は30m/minとした。キルン内温度は、100℃±20℃で管理した。その後、粉砕し、ふるいにより10mm以下のサイズに粒度調整した。 処理過程における品質管理して、再資源化率、臭気低減度、発酵時の土中温度、飼育中の塩分および強熱減量、化学物質を測定した。再資源化率は搬入時から飼料化されるまでの体積(または重量)変化率を計測した。臭気は、イガイ試料200g-wetを25℃環境下において0.1立方メートルの容器に1分間密封し、容器内の気体をガス検知器(GV-100S、ガステック(株)およびガス検知器(180アミン類および180Lアミン類、ガステック(株))により測定し、比較した。発酵時の土中温度は、盛土表面から50cm下部の位置で測定した。塩分は塩化物イオン濃度として土壌環境分析法にて、強熱減量は底質調査方法Ⅱ4.2にて分析した。また飼料化した試料に含まれる化学物質(カドミウム、六価クロム、全水銀、セレン、鉛、砒素、フッ素、ホウ素)を測定した。

3.結果

搬入したイガイの体積および湿潤重量、おが屑の添加量等を表-1に示す。発酵時には切り返し作業により試料が一部粉砕され、また分級時には身などの有機物とおが屑や小型ゴミが除去され、また粒度調整では粉砕することで、体積および重量が減少し、再資源化率は体積で搬入時の約15%、重量で同約37%であった(図-2参照)。 中間処理施設への搬入時、分級後、天日乾燥後、熱処理前後での臭気の測定結果を図-3に示す。熱処理後は検知管の測定下限値0.5ppm以下であった。測定の結果、臭気は熱処理前までで搬入時の5%未満に低減され、熱処理をすることで1%未満に低減することが確認できた。 発酵時の土中温度を図-4に示す。外気温は昼夜を通して約25~35℃であり、盛土中の温度は40~73℃であった。 飼料中の塩分(塩化物イオン濃度)は1,000mg-Cl/kg未満であった。また飼料中の強熱減量は、熱処理前と比較して若干小さくなっていた(図-5参照)。また養鶏飼料としての化学物質の分析結果については、フッ素が38mg/kg、ホウ素が8.2mg/kgであり、その他の物質については定量下限値未満であった。

4.考察

搬入時の有機物質量は、貝の身や水分を含め約30~50%であった。ムラサキイガイの身は夏場に毒性を持つ。そのため飼料化においては適切な身の除去が必要になる。熱処理前の試料の強熱減量は5%未満であった。ここに強熱減量では試料を600℃で熱するため、貝の成分である炭酸カルシウムが一部揮発する。したがって有機物量は強熱減量よりも低く評価できる。これより、発酵・分級・乾燥により有機物量と水分の大部分が除去され、さらに熱処理により貝に残存した有機物がほぼ完全に除去さらたものと考えらえる。

5.まとめ

処理量として約52立方メートル(約32t)と比較的大規模に排出されたムラサキイガイを養鶏飼料とすることができた。中間処理施設の場所選定においては、近隣に民家がないこと、排出箇所からの運搬距離が短いことなどを配慮した。また処理過程で発生した腐敗した有機物やおが屑に染み込んだ養分などは、別途準備した食品残渣などで排出される廃棄飼料と混合し堆肥材として処理した。これらにより、本処理における費用は一般的な焼却処分費より安価に実施することができた。今後の課題としては、海底に没落した二枚貝など土砂混入割合が大きい場合の対応として事前分級による土砂の除去や、冬場における発酵時の盛土中温度の高温に保持する対策が挙げられる。

試験方法・結果

項目 分析方法 試験結果
Ca カルシウム 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 370,000
Na ナトリウム 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法

4,100

Mg マグネシウム 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 1,600
K カリウム 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 360
Fe 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 880
Mn マンガン 酸添加、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 56
P リン 底質調査方法2、分析方法19、全リン 380
N 窒素 底質調査方法2、分析方法18、全窒素 680
Cl 塩化物イオン 水抽出後、JIS K 0102 35.塩化物イオン 32
Cu 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 1.0
Cd カドニウム 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 0.1
Pb 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 2.4
As 砒素 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 0.28
Se セレン 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 0.1
Mo モリブデン 添加物、マイクロ波分解後、ICP質量分析法 0.66
Cr VI 六価クロム 底質調査方法2、分析方法12.3、六価クロム 不検出(0.1mg/kg未満)
B ホウ素 水抽出後、JIS K 0102 47.1メチレンブルー吸光光度法 不検出(0.01mg/kg未満)
CaCO3 炭酸カルシウム カルシウム濃度を炭酸カルシウム濃度として換算 920,000
NaCl 塩化ナトリウム 塩化物イオン濃度を塩化ナトリウム濃度として換算 53
NH4-N アンモニア態窒素 JIS K 0102 42.1及び42.2インドフェノールに準拠 7.0